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学習漫画 世界の伝記 モンゴメリ [人]

読み着せ時間 小6男子自分で読んで20分
ウケ度 特に何もいっていなかったが、一応最後まで読んでいた
印象度 思ったより不幸な人生でした

ルーシー・モード・モンゴメリは1874年プリンスエドワード島で生まれた。
父は元船乗りでモードが生まれた時は島で雑貨屋をやっていました。
モードが1歳9か月のとき母クレアラが肺結核で亡くなり、モードは島にある母の実家、人口100人ほどのキャベンディッシュ村で祖父母に預けられました。父親はカナダ本土で働くことになりました。

祖母はしつけにうるさく、モードが下品な言葉を使ったり、村の子どもたちと遊んだりするのをいやがりました。モードは木や石に名前をつけて想像力を使って遊ぶのが大好きな子供で、ひとりぼっちでも祖母のいうことをきいて育ちました。母の実家は大きな農家でおじいさんは村の郵便局もやっていました。
赤毛のアンのマシューとマリラのモデルはこの二人ではないかといわれています。
また、赤毛のアンにでてくる幽霊の森や果樹園も、ここに原点があります。

おばのメアリー・ローソンはお話が上手で一族の話をモードにたくさんしてくれました。母の実家マクニール家も父の実家モンゴメリ家もスコットランドの名家で、18世紀中ごろプリンス・エドワード島に移ってきたのです。
小学校にあがるころには、マクニール家に下宿している男子の兄弟や親友のアルマと遊ぶようになり、それらもアンの人物たちのモデルになったようです。

9歳のとき島の沖で帆船マルコ・ポーロ号が座礁。船長を家で世話したときのことを作文にかき、文通していた父親に見せると、父親が文才があるといってくれ、これが作家をめざすきっかけになる。

1889年15歳のとき学校の友達と「物語クラブ」をつくる。それまでも作品をつくり新聞や雑誌に詩をおくっていたが、採用には至らなかった。しかし書くことが大好きで、作家になりたいと思う気持ちは強くなっていた。
このころ古い日記を燃やして、その後53年間欠かさず書き続ける日記を書き始める。

1890年父親のくらすカナダ西部の町プリンス・アルバートにいき、父親と新しい母親と妹と暮らす。
しかし、母親はモードを女中のようにこき使い、学校にもいけなくなったため、1年後プリンス・エドワード島の祖父母のもとに戻る。
この間に初めて作った詩がパトリオット新聞にのる。父親は喜んでくれたが、母親はくだらない詩をかくより、食事の支度や洗濯をするようにというだけだった。

当時女の仕事は育児と家事と考えられていたこと、女性で作家として生活している人がいなかったこと、加えて住んでいたので田舎であったこともあり、その後一生ついてまわることになる。
祖父母のところに戻り教師になって収入をえて、作家になる夢を追いたいというモードに祖父母は反対。
モードは一人で勉強し、島で5番の成績で大学に合格。1年間だけ学費をだしてもらって教師の資格をとり、バイオフォードという漁村の先生になる。
しかし子供たちには学ぶ意欲がなく、教師生活は楽しみの少ないものであったようです。1年間の教師生活でお金をためると、ダルハウジー大学の英文学を学びます。このころにもいくつかの作品が雑誌にのりましたが、まだ原稿料をもらえるほどではありませんでした。しかし、フィラデルフィアのゴールデンデイズ社が5ドルで作品を買ってくれ、モードは記念に試臭を買います。

しかし、大学を続けれられるほどではなく、1年後再び教師になったモードはプリンス・エドワード島のベルモントという村の先生になります。これは最初の村より子どもたちの質も悪く、下宿先の待遇も悪かったようです。さらに冬は零下30度の寒さで朝起きて書き続けるモードにはつらいものでした。

1年後島の南部ロウアーベデックへ転勤になります。
ここでリアードという農家に下宿しますが、そこの長男ハーマンと恋におちます。モードは22歳でした。
モードは結婚したいと思いましたが、農家の妻になれば作家を諦めねばならず悩みます。
ハーマン自身も文学にはまったく興味がなかったようです。
このころキャベンディッシュの祖父が亡くなり、モードは祖母を助けて郵便局と農家をやっていくために、ハーマンと別れて実家に戻ります。その一年後ハーマンはインフルエンザに亡くなり、モードはそれを新聞で知ります。

家の手伝いをしながら作家として作品をかき、送り続けるモードでしたが、いろいろな雑誌にのるようになっても祖母は結婚もしないで変わり者だと嘆き、周囲の理解もありませんでした。1900年には唯一の理解者父親もなくなってしまいます。モードは打ちのめされしばらく作品をかけませんでした。

1901年、モード26歳のとき、大学の友達の紹介で「デイリー・エコー」誌で働くことになる。祖母は新聞記者なんてとんでもないと大反対したが、いとこのフレデリカ・キャンベルが説得に協力してくれてなんとか実現する。モードはわくわくと楽しく働くが、フレデリカが祖母があつかいにくくて困ると訴えたため9か月で退職し島に帰ります。

このころには作家として依頼が来るほどになっていましたが、日常の生活は料理したり、裁縫をしたりして祖母の面倒をみる毎日でした。
日曜学校新聞の連載小説をたのまれたモードは、10代のころから書き留めていたアイデアノートから「年老いた夫婦が孤児院に男の子を申し込む、間違って女の子がつれてこられる」というアイデアを基にアンをつくりだします。結局物語が膨らんで連載小説には使えませんでしたが、モードは1年かけて「赤毛のアン」をかきあげて出版社に送ります。4つの出版社におくるも不採用で、原稿は1年間クロゼットで眠ることになります。

このころ牧師のユーアン・マクドナルドと知り合い、結婚を申し込まれる。モードは31歳で、家庭はもちたいと思うものの、ハーマンに感じたような愛情は感じられなかった。しかしフレデリカの勧めもあって結婚は現実的なものとわりきり婚約、その後ユーアンが勉強のためスコットランドへいったため結婚は1911年ユーアン40歳、モード36歳のときになりました。

この離れている期間にモードは「赤毛のアン」の原稿を読み返し、もう一度だけ送ってみようとアメリカのL・C・ページ社に送り出版にこぎつける。1908年初めての長編小説「赤毛のアン」が出版されると爆発的ヒットとなり、世界中からファンレターが届く。またマーク・トウェインからも手紙をもらう。しかし祖母は関心をしめさず家事をしろというばかりで、お手伝いさんをやとおうというモードの話には耳をかさなかった。結局モードが結婚する直前になくなるまで、この態度は変わらなかった。

結婚後二人はイギリスへ10週間の旅行にでて、そのまま夫の職場オンタリオ州リースクデールの教会に住む。小さな村では突然有名作家になったモードへの視線はあまりよくなかったようです。
リースクデールではモードは牧師の妻として懸命に働きながら「アン」を書き続けました。このころには世界中から続編を書くように圧力がかかていたのです。
さらに1912年長男チェスター、三年後にスチュアートが誕生。牧師の妻、母、作家の仕事をこなし、さらに講演会や朗読会にもでかけていました。二人の子どもはお手伝いさんを頼むこともありました。

夫ユーアンは、流行作家の収入のある夫人をもつという、当時としてはまれな境遇であることもあり、結婚後は重いうつ病を患っていました。モードは周囲にわからないように気を使い、病状がよくなるようにと保養にいったりしました。プリンス・エドワード島にはグリーン・ゲイブルズ・ハウスを建て、保養にいき、自分の原点を確認し、仕事場に写真を飾っていたそうです。
こういった生活は実に20年にわたっていました。
気さくで話し上手なふたりの子どものやさしい母であり、村のために尽くす牧師夫人であり、そして有名な作家という超多忙な生活のうえに、夫のうつ病を世間から隠す気苦労で、モードは次第にねむれなくなっていました。
カナダ連邦成立50周年記念パーティでイギリスの首相に「アンのような主人公をつくるあなたも同じような方だと思っていました。お幸せな人生ですね。」といわれ「そうありたいと願っていることを小説にかいているだけかもしれません。」と答えています。

ユーアンについてオンタリオ州ノーバルに引っ越した一家でしたが、ユーアンのうつ病が悪化。記憶を失うようになったため牧師の仕事を続けられなくなり、トロントに引っ越します。相変わらずものに名前をつけるモードはここを「旅路の果て荘」と名付けます。
息子たちも成長し、牧師の妻としての仕事からも解放され、書きたいものが書けると思ったモードでしたが、世間はモードにアンの新作ばかりを期待するのは閉口したようです。

それでも世間の期待に応えて「アン」を描き続けます、
ユーアンの病気の世話で夜も眠れず、第二次世界大戦で息子たちが志願兵になる恐怖など心労がかさなり睡眠薬の量が増え、1942年67歳で亡くなります。翌年には夫もなくなり、故郷キャベンディッシュの共同墓地に葬られます。

モードの日記は遺言で死後50年間封印されました。それによると、つらい生活の中で書くことだけが喜びであったことが述べられているということです。


学習漫画 世界の伝記―集英社版 (〔34〕): モンゴメリ

学習漫画 世界の伝記―集英社版 (〔34〕): モンゴメリ

  • 作者: 高瀬 直子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1995/11/17
  • メディア: 単行本



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