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クレオパトラ―古代エジプトの最後の女王 学習漫画 世界の伝記 [人]

読み聞かせ時間 小6男子自分で読んで20分
ウケ度 ふつう
印象度 エジプトの王家の継承制度って不思議

クレオパトラの生まれた王朝はプトレマイオス朝。
この王朝は紀元前332年エジプトを征服したアレクサンドロスの部下プトレマイオスが王の死後紀元前305年に開いたもの。この国の都がアレクサンドリアなのは王の名前をとったから。
というわけで、クレオパトラはもとはギリシャ系の家系で、家ではギリシャ語を話していた。

初代のプトレマイオスから200年、プトレマイオス12世の3人目の王女としてクレオパトラは紀元前69年に生まれた。クレオパトラの名も代々うけつがれて、正確には7世になる。
姉クレオパトラ6世、ベレニケ、妹アルシノエ、弟のちのプトレマイオス13世、プトレマイオス14世の兄弟がいました。
小さい時から利発で父王に愛され、父親は6歳のときに教育者アポロドロスをつけて教育をした。とても覚えが早く、特に語学は堪能で、地中海近辺でつかわれる言語はほとんどできたといわれています。
また、活発な性格で、覚えたエジプト語を使いたいとエジプト人の漁師の町へでかけ、あやうく襲われそうになって護衛に助けられたりしました。
スポーツ特に乗馬が得意でした。

エジプトは古来から広い肥沃な領土をもつ豊かで文化の栄えた土地でしたが、それをねらう周辺諸国に狙われるもの常でした。クレオパトラの時代、相手はローマでした。
ローマは王家の相続争いに口をはさみ、王家の直系はとだえていました。クレオパトラの父は前王のいとこにあたるのでした。王位をみとめてもらうため、ローマに金銭などをおくり力をかりたことからローマのいうなりという評判がたち、弟のキプロス王から援軍をたのまれても、ローマの顔色を窺って出兵しませんでした。ローマに責められてキプロス王は自殺し、エジプトでも王への批判が高まります。
反国王派はクレオパトラの姉ベレニケをかついで王を追い出し、王はローマに逃れます。

一時クレオパトラ6世が即位しますが、死亡したため、ベレニケはカッパドキアの大司教アルケラオスと結婚して王女となります。
しかし、ローマ軍の力をかりた王が帰還、打ち破られ夫とともに処刑されます。
このとき王を護衛してきたローマの騎兵長官アントニウスとクレオパトラは初めて会いました。

王座は取り戻したものの、ローマの力はますます強まり財務長官にローマ人の金融家が就任するほどでした。4年後プトレマイオス12世が死去。クレオパトラは遺言により弟のプトレマイオス13世と結婚して女王となり共同統治をするようになります。エジプトでは古くから兄弟婚は普通にありました。

幼い弟には3人の後見人、ポティノス、アキラス、テオドトスがつき、年長のクレオパトラが主に政治をみましたが、王の側は不満におもっていました。
ある日ローマで父王の支援をしてくれたポンペイウスの息子がひそかにエジプトを訪れ、カエサルに敗れてテッサリアに逃れた父のために援助を願い出ます。クレオパトラは恩を返すために承諾しますが、これに付け入った弟王側から、クレオパトラはポンペイウスの息子と組んで弟王を殺し、エジプトをローマに売るつもりだと中傷され、シリアに逃れます。

シリアで軍勢を整えたクレオパトラは弟王と対決しようとしますが、そのとき、プトレマイオス13世のもとにポンペイウスから援助を求められます。ポンペイウスを助ければカエサルに敵対することになり、ポンペイウスの仕返しも怖く、困ったプトレマイオス13世は側近の意見をいれてポンペイウスを暗殺してしまいます。
しかし、ポンペイウスの首を届けられたカエサルは涙を流して悲しみ、首をとどけたテオドトスは処刑されてします。

ポンペイウスを追ってアレキサンドリアに迫っていたカエサルは、クレオパトラに手紙を送り、弟王と仲直りさせるため、アレキサンドリアで会いたいといってきます。
このとき敵の軍を突破する必要があったクレオパトラは、アポロドロスに頼んで絨毯にくるまれてアレキサンドリアに向かい、絨毯からでてカエサルに面会します。

こうして弟より先にカエサルに面会したクレオパトラは自らの立場を説明し、カエサルの援助をとりつけます。
プトレマイオス13世は不満に思い、カエサルと戦いますが敗れ、黄金の鎧をつけたまま川に沈んで死んでしまいます。
こうして紀元前47年クレオパトラは弟のプトレマイオス14世と共同統治でエジプトの女王となりました。
妹のアルシノエは、プトレマイオス13世に味方して戦ったためローマに送られました。

戦いが終わった後もカエサルはエジプトにとどまり、クレオパトラとナイルを旅するなどしてすごし、二人の間にはカエサリオンのちのプトレマイオス15世が生まれます。
エジプトの富とローマの軍事六で世界にまたがる帝国をつくろうと語り合います。

カエサルはローマにもどり各地を転戦。めざましい戦績をあげ、ローマで凱旋式をします。この凱旋式にクレオパトラも招かれ、ローマに2年間滞在します。カエサルは共和制のローマで皇帝になろうとしますが、これを良く思わない元老院の一部が暗殺を企て実行します。そのなかにはカエサルが息子のようにかわいがっていたブルートゥスもいました。
カエサルを亡くし、クレオパトラはエジプトに戻りました。

このころ弟王プトレマイオス14世がなくなり、クレオパトラは息子カエサリオンと共同統治でエジプトを治めることになります。
いずれローマがエジプトに手をだしてくることを恐れたクレオパトラは、庇護者をもとめていました。
一方、アントニウスはカエサルの後継者とみなされていましたが、カエサルの養子になっていたオクタビアヌスと対立。カエサルの仇をうつまでは協力していましたが、アントニウスが仇をとり、いよいよ対立のときが近づいていました。しかし、アントニウスには軍資金がありませんでした。
こうして二人は互いをもとめ、協力関係を結びます。
このときクレオパトラがエジプトの富を示すために真珠を酢に溶かして飲んだというエピソードが残っています。

ふたりはアレキサンドリアで楽しい時間をすごしますが、紀元前40年アントニウスはパルティア軍をうちやぶるためシリアに遠征。そのままローマで政治の闘争にのめりこみ、ついにオクタビアヌスと協定を結ぶためオクタビアと結婚してしまいます。この間にクレオパトラは、アントニウスの子ども双子のセレネとヘリオスを生みます。
しかし3年後突如エジプトに戻ったアントニウスは、オクタビアを愛したことはない別れたといい、クレオパトラと結婚します。

紀元前36年、アントニウスはアルメニアで大勝利をおさめ、アレキサンドリアで凱旋式をします。このころにはクレオパトラには3人目の子フィラデルフォスが生まれていました。
しかし、ローマの将軍が外国で凱旋式をするとはとんでもないと批判がおこり、これを利用したオクタビアヌスは紀元前32年エジプトに宣戦布告。クレオパトラは、ローマの将軍をたぶらかした悪女として批判されます。

紀元前31年、アクティウムの海戦の最中、劣勢にたったアントニウスの軍中にいたクレオパトラは、エジプトを守るため脱出。しかもそれを見たアントニウスがクレオパトラの後を追い、軍は総崩れとなります。
エジプトに戻ったクレオパトラは、船を飾り立てアレクサンドリアに帰還。敗戦を隠そうとします。しかし、アントニウスは部下を見捨てた自分の行動を悔やむあまり酒におぼれ、オクタビアヌスに対抗する準備をしようとしません。
クレオパトラは、一人で準備をしますが、世界最強のローマ軍とでは結果はわかりきっていました。

紀元前30年、カエサリオンが17歳の誕生日を迎え、盛大なお祝いがおこなわれました。
クレオパトラは、この機会に王位をカエサリオンに譲り、アントニウスを引退させることでローマと和平を結ぼうとしますが、オクタビアヌスはあくまでアントニウスの命を求め、それを拒否したため交渉は決裂します。

これを知ったアントニウスは奮起しますが、すでにアクティウムで生え抜きの部下は失っており、エジプト軍を率いてはローマの敵ではありませんでした。
戦いのさなかクレオパトラが霊廟に入ったときいたアントニウスは、てっきりクレオパトラが死んだものと思い、自殺します。

クレオパトラはアレキサンドリアに入ったオクタビアヌスに降服し、子どもたちのことを託します。
オクタビアヌスは戦利品としてクレオパトラをローマに連れ帰ろうとしますが、それを察したクレオパトラはアントニウスの葬儀のあと、毒蛇に体をかませて自殺しました。
これでプトレマイオス朝は滅亡したのでした。

今でもローマではクレオパトラは悪い女ということになっているらしい。
しかしオクタビアヌスの方もかなり冷酷で、紅海に逃れたカエサリオンを母親の名前をつかっておびき出して殺し、王宮の財宝を船につんで帰国したということです。
カエサリオンは一応兄弟にあたるのにね。


クレオパトラ―古代エジプトの最後の女王 学習漫画 世界の伝記

クレオパトラ―古代エジプトの最後の女王 学習漫画 世界の伝記

  • 作者: 千明 初美
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1995/11/17
  • メディア: 単行本



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