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今昔物語(下)―マンガ日本の古典 (9) [歴史]

読み聞かせ時間・・・中学生男子はこのシリーズ読まないって決めたようなので一人で読んでます。30分くらい
ウケ度・・・全然興味なかったようだ。
印象度・・・絵は、水木しげる。これもお話にあっていていいなあ。

〇ねずみ大夫
藤原の清廉は、大蔵の大夫とよばれていたが、世間の人たちは「ねずみ大夫」と呼んでいた。それは異常なくらい猫を怖がるから。
清廉は山城、大和、伊賀の三国にたくさんの田をもっていた。
藤原の輔公が大和の守のとき、租税をまったく納めなかったので、大和の守は呼び出して部屋に閉じ込め猫をけしかけて約束状をかかせた。

〇安倍晴明
京都に住む陰陽師安倍晴明は、師をしのぐ技量をもち、狐の子などといわれるほどだった。
子どものころ師の伴をしていて鬼の行列をみて、車をとめたので、師が隠形の術をつかい大事にいたらなかった。
安倍晴明は式神を使うことで右にでるものはないといわれていた。式神とは呪詛に使う一種の鬼神である。
ある日、一人の老僧が二人の童子をつれて清明を訪ね、陰陽道を習いたいという。僧がかなりの使い手で童子が式神であることをみぬいた清明は、童子を隠してしまう。あわてた老僧は清明にあやまり弟子にしてほしいというのだ。
ある日、宮中に参内する若い少将の烏帽子にカラスがフンをするのをみて、カラスは式神とみぬき、家で護身術をしていると、はたして呪詛がおくられてきたので、清明はそれを送り返しさらに自分の式神も送ったので相手の陰陽師は亡くなってしまった。犯人は若い男の相婿だったが、それがわかると家からおいだされてしまった。
また、あるときは試みに池のカエルを殺してみてくれといわれ、葉っぱに呪文をしてカエルになげて殺す。
清明は12の式神を使っていたが、醜悪なので妻が嫌がり、京の一畳のもどり橋の下において、用があるとき呼び出していたという。

〇稲荷詣で
京都伏見二月初午の稲荷大社は参詣のひとたちでにぎわっていた。
近衛府の舎人たち6人が参詣するなかに色好みといわれる男がいた。さっそく美人を探して声をかけるが、なんと相手は自分の女房だった。
さんざん女房の悪口をいったあとだったので、男はなぐられののしられた
妻は「いままで人のいうことは信用しないで信じていたが、話が本当だとよくわかった。もう帰ってこなくていい」といいすてていってしまった。
男はそれでも妻のところへいって謝ったが、妻は「私も着飾って外にでればまだまだ声をかけてもらえるってわかったわ」という。
世間の笑いものになり、妻に愛想をつかされた男は数年後にぽっくり死んでしまったが、女ざかりの妻は再婚したという。

〇幻術
陽成天皇の時代。滝口の侍である道範が陸奥の金を運送上納するため信濃の国の郡司の家にとまった。眠れないので家のなかを歩いていると、郡司の妻らしい女性が寝ている。来客があると接待は妻にまかせ、男は外に宿泊するという習俗があるので、だれもいなかったので、道範は情を通じてしまうが、途中で股間のモノがなくなっている。
道範は、自分の家来たちもけしかけて同じことをさせると、みなモノがなくなってしまう。
怖くなった道範一行は早々に出立するが、男がおいかけてきて郡司から届け物があると手渡したのはモノがはいった包み。そしてモノがもどってきた。使いに男によるとこれは郡司の幻術であるという。
おもしろくなった道範は帰り道に郡司に幻術を教えてほしいと頼み込む。郡司は金を京都に届けたら習いにくるといいという。
いよいよ修行にはいるが、幻術は仏道に反するので誓願をたてろという。そして川上から流れてくるものに抱き着くようにいわれるが、最初に流れてきたのが大蛇でだきつくことができない。次のイノシシがきたがなんとかつままえた。
しかし最初のに抱き着けなかったので、モノをかくす術はおしえてもらえず、他の簡単な術を教えてもらった。道範としてはモノをかくす術を教えてもらえず残念だった。京にかえって術を披露していると天皇の耳にはいり、教えたが、履物を動かして喜んでいる天皇をみて「めでたいな」とためいきをつくのだった。仏道に反する幻術にはまる天皇の評判がおきて、そのためか天皇は狂気になってしまう。
道範は幻術は他人だけでなく己も惑わすなあと思うのだった。

〇妻への土産物
ある男が難波の海岸でハマグリに海松(みる)がくっついたものを拾う。
珍しいので女への土産物にしようと童子にもたせるが、「あの女」といったため、童子はてっきり妻のことだと思ってハマグリを渡してしまう。しかし男は長い間妻のところへは帰らず他の女のところへいりびたっており、そちらに送ったつもりでいた。
妻は突然の土産物に、驚き、多分童子がまちがえたのだろうとは思ったが、眺めて楽しむことにした。
男が京に戻ると土産物が妻のところへいっているとわかる。男が土産物を説明すると女はハマグリを食べて梅松は酢のものにするという。男は夢のない女だと思ったが、童子をしかって妻のところから土産物をもってこさせる。妻は残念がったが、包み紙に歌を書いて包むと童子にもたせる。
その歌をよんで、自分をうらまず土産物を眺めて楽しんでいた妻を好ましく思った男は妻のところへ帰るのだった。

〇水の精
陽成院の崩御したあと、その敷地は人が住むようになったが、南の池のある方の家で縁側で男が寝ていると、杖をもった小さな老人がやってきて起こす。男はいろいろきくが、老人はなにもいわないで池にかえってしまう。友達も不審がってひとつ捕まえてみようということになり、うまく捕まえると老人は「たらいに水をもってきてくれ」という。そして「私は水の精だ」というとたらいの水のなかに消えてしまった。しかたないので男と友達は水を池にもどしてやった。水の精はそれから二度とでてこなかった。

〇墓穴
近江の国篠原を美濃の国をめざして男があるいているとひどい雨風になった。
墓穴をみつけて避難していると、他の旅人が雨をさけてやってきた。そして主がいたらと供え物をした。先に入った男はその供え物を食べてしまう。
供え物をした男はびっくりして、こんなところにいるのは神ではなく鬼だといって荷物を置いて逃げ出してしまった。荷物は反物で男は幸運なんてどこに落ちているかわからないといって、反物をもって旅をつづけた。

〇引出物
色事師平中と藤原時平が女の話をしているとき(両方ともかなりのプレイボーイ)籐大納言の北の方が美人だと平中がいいだす。籐大納言は時平の伯父だが80過ぎの老人である。自分の方が美人にふさわしいと思った時平は、正月の年賀に伯父の家に行き、酔いをさましてから帰ると、他の人が帰っても残っていた。そして伯父が引出物に馬を二頭と琴を用意したというと、「伯父上ならではご自慢ののものをいただきたい」といいだす。酔っていた籐大納言は「自慢の妻」を引出物にしてしまい。時平はまんまと女を手にいれる。
女も時平の男ぶりにのぼせていたので、めでたしめでたし。気の毒なのは籐大納言である。

〇外術使い
村人たちが瓜を背負って売りに行く途中、みずぼらしいおじいさんに会う。男たちが自分たち用の瓜をたべていたので、おじいさんも欲しいというが、男たちはあげない。
おじいさんは男たちの捨てたタネを拾ってうえるとみるみる芽がでて瓜がなった。おじいさんは瓜を食べ始め、男たちにも食べろという。男たちは大喜びで腹いっぱいたべたが、きがつくとおじいさんはいなくなっていて、自分たちがかついできた瓜もなくなっていた。

〇寸白男
寸白とはサナダ虫のことである。
ある女が腹のなかに寸白をもっていて、その息子がおおきくなって出世して信濃の守になった。信濃の国ではクルミが名産で酒でも料理でもクルミがはいっている。信濃の守はそれを飲むと苦しみだす。土地の人が不審に思いさらにクルミ入りの酒をのませると、信濃の守は「おれは寸白男なのだ」といって一匹の巨大なサナダムシになって逃げだしたが、途中で水になって消えてしまった。信濃の守の妻も子供も家来もびっくりしたが、しかたなく引き返していったという。

〇生霊
美濃尾張に行く途中の男が夜に道で女に出会う。女は「民部の大夫何某のところへいきたい」という。男は遠いからと断るが頼み込まれて案内する。すると女は「近江の国なになにの娘です」と名乗ってから消えてしまった。男がびっくりしていると案内した家のなかでだれかがなくなったらしい。夜が明けてから案内した家の近所に住む知り合いに聞いたところ、案内した家の主人が近江の奥方の生霊にとりつかれていたが、明け方近くになくなったという。
男は頭がいたくなり家にかえってニ三日ねていたがやっとでかけることにした。
近江の国を通ったので女が言い残した家にいくと、確かに本人がいて男のことを覚えているといってお礼の品をくれた。
下女の話では女は民部の大夫にすてられたそうだ。男は女はおそろしいと思いながら旅を続けるのだった。

〇蛇淫
ある夏の朝、若い女が近衛大路をあるいていて、急に用をたしたくなった。
がまんできなくて、道の端で用をたしていると動かなくなってしまう。供をしていた女童が泣き出してしまう。すると通りかかった男がみると、女の前の壁に穴がありヘビが顔をだしている。
これはヘビが女の用をたしているのをみて欲情し、女の正気を失わせているのだなと判断。
家来たちに石のようになった女を持ち上げさせるとヘビが壁からでてきたので刀で殺した。すると女は正気をとりもどしたので家来たちが家まで送っていった。
ヘビの淫欲をいたずらに刺激してはいけないという話である。


今昔物語(下)―マンガ日本の古典 (9)

今昔物語(下)―マンガ日本の古典 (9)

  • 作者: 水木 しげる
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1996/01
  • メディア: 単行本



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