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星モグラ サンジの伝説 (童話パラダイス) [動物]

読み聞かせ時間・・・大人が読んで30分
ウケ度・・・子どもはよんでいません。児童書にはほぼ興味しめさなかったので(^^;)
印象度・・・かなりぶっ飛んだお話しだと思いますが、私は割と好きです。

二重構造になっています。
作家である主人公が、友人の一家が旅行する間、家を借り受けることになります。友人たちが慌ただしく出かけたあと、一人でバルコニーで缶コーヒーを飲んでいると、庭にモグラが現れて人間の言葉で話しかけるのです。モグラがいうには、人間のことに興味をもって耳学問をして話せるようになったというのです。そして、作家がくると聞いたので、あるモグラの話を本にしてほしいと頼むのです。主人公は夢を見ていると思いながらも、モグラの話を聞くのです。
モグラが話したの、モグラの間で伝説になっているサンジというモグラの話でした。モグラの間では口伝で伝わったので、あちこちおかしくなっているので、自分が野原中のモグラに聞いて、正しいとおもわれる部分を集めたと人間語を話せるモグラはいうのでした。

サンジは野原のモグラ母さんの3番目の子どもでした。母さんモグラは何回も子どもを産んだことがあり、てっきり子どもは2人だと思っていたら、流れ星が落ちたショックでびっくりしたとき、もう一人小さな赤ちゃんがでてきて、それがサンジでした。姉さん二人より小さかった男の子のサンジですが、人一倍ミルクをのんで、動き回り、あっという間に姉さんより大きくなりました。じっとしていられなくて、好奇心が強く。乳離れしてミミズを食べるのも一番早かったし、巣立ちも勝手にでていってしまうほどでした。

サンジは土を掘るのがもともととても上手くて速かったのですが、動き回るのが好きで掘りまくりながら食事もした。いろんな掘り方を研究して、円を描いて掘ったりできるようになった。上や下に掘ってみて、地面に飛び出して走り回ったり、地下の岩にあたったりした。最初は岩は掘れなかったが、サンジは母さんが「なんでも食べて強くなる」といっていたのを思い出して、土でも草でも岩でも掘りまくり、食べまくり、強くなって岩でもスゴイスピードで掘り進めるようになった。さらに空中に飛び出して飛べるようにもなった。

すごいスピードで掘りまくるサンジを、野原のモグラたちは恐れるようになり、最初は決まったところにトンネルを掘るように伝言をしようとした。しかし、サンジは容易につかまえることができず、ほとんどのモグラは伝言を忘れてしまう。
ようやく伝言を覚えていた北の果てのモグラのところにサンジが現れるが、伝言を伝える間もないほど、北の果てのモグラを質問攻めにして、北にヘビというものがいるのを知ったサンジはヘビを食べにいってしまう。ヘビは隕石の落ちた穴にいたが、サンジに食べられてしまった。サンジは隕石も食べた。それは、いままで食べた何より美味しかった。サンジは隕石に似た味の金属が好きになる。

サンジは今度は南の果てのモグラのところに現れた。南の果てでは人間がゴルフ場をつくり、カップにボールが落ちる音にモグラたちはおびえていた。またゴルフ場の土には薬が入っていてミミズがいないし、いても死んでいたりする。それを食べたモグラは体調が悪くなるのでみな引っ越してしまっていた。サンジは人間たちが棒を振り回していることを聞くと、ゴルフ場に行って、ゴルフクラブやフェンスの金網を食べてしまった。サンジの動きがあまりに早いので人間たちは、サンジを見ることができない、次々と消えていくゴルフクラブや金網、薬のしみこんだ土まで食べて、すべて無害なフンに変えてしまった。人間たちは逃げ出した。
モグラたちはサンジをたたえて、表彰状を出すことにして、今度はそれを伝言にした。

伝言を聞いたモグラがそれらをみんな忘れてしまうころ、サンジは東の果てのモグラのところにやってくる。東の果てでは人間たちが工場を建てようとしていた。東の果てのモグラももう少しでショベルカーにすくわれて、どこかに連れて行かれそうになった。運よくおっこちたところにサンジが現れて、怪物(ショベルカーや工事の建物のこと)を食べてみるといって、行ってしまう。そして人間には見えない速度で、工事の車や鉄骨を食べてフンにしてしまった。工場の経営者はあきらめて、その土地に木を植えて公園にした。

モグラたちは怪物を追い払ったサンジをたたえて、今度は「王様になってください」という伝言をだした。西の果てのモグラ・サキはサンジと出会うが、伝言をちょっと違って伝えた。「私の王様になってちょうだい」サンジは「サキちゃんが、僕の女王様になってくれるなら」と答え、二人は一緒に暮らした。サンジは滅茶苦茶に掘ることをやめ、普通の暮らしのようにミミズを食べてサキのトンネルで暮らした。しかしサンジはミミズよりやっぱり岩やホシ(隕石のこと)が食べたいという。そしてサキから西には湖があるときくと、掘り進んでいってしまった。モグラは普通一緒に子育てしないので、それは普通のことだったけど、サンジはときどサキのところに来て話をする変わったモグラだった。サキはモグラのお母さんがするように、サンジの子どもを産んで、巣離れさせた。

サンジは湖で泳いでは空に飛び出し、空気がなくなるくらいまで高く飛べるようになった。そして何度か空中で隕石を食べた。
ある日、人工衛星が落ちてきた。それが地上に落ちれば危険なエネルギー物質が水や空気を汚し、じわじわと生き物を殺す。打ち上げた人間たちが大騒ぎしているなか、人工衛星はサンジが食べて無害なフンに変えてしまった。人間たちはレーダーから消えた人工衛星を不思議に思うだけだった。
それを見ていた神様が、サンジをほめてあげようと、モグラ語で話しかけるが、しばらく使っていなかったので、なかなかサンジには通じなかった。そしてサンジをほめたが、サンジはいつほめられたのかわからなかった・・・。

物語は、「それからも、サンジは幸せに暮らしました」でおしまいになる。

作家がモグラに「そりゃあ、ないでしょう」というが、モグラは「モグラが最も好きのはこの部分で、短くするときは、ここだけを話して、幸せな気分になる」といいます。
そして、作家のくれた水とハムを食べて例をいうと、本にしてくれるように作家を励まして帰っていった。作家が「あなたがサンジなのでは?」というと、モグラは「自分はナンジです」といった。モグラ語ではげます言葉「ミミズだ、行け行け」


星モグラ サンジの伝説 (童話パラダイス)

星モグラ サンジの伝説 (童話パラダイス)

  • 作者: 岡田 淳
  • 出版社/メーカー: 理論社
  • 発売日: 1990/12
  • メディア: 単行本



タグ:岡田 淳
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