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町かどのジム (子どもの文学・青い海シリーズ)

読み聞かせ時間・・・大人が読んで1時間
ウケ度・・・子どもはよんでいません。私は面白かった。ソフトなほら吹き男爵。
印象度・・・挿絵がアーディゾーニなんですけど、とってもあっていると思います。

1デリーとジム
街角のポストのそばにミカン箱がおいてあり、ジムはいつもそこに座っている老人です。元は船乗りで、天気予報が抜群にうまいです。
ずっとそこにいるので通りの子どもたちのことは赤ちゃんのころからしっています。通りの人たちのことも知っています。
子どもたちはジムが好きです。大人たちもジムが好きで、ジムの服もパイプもみんな通りの人たちからの贈り物です。
デリーは通りに住んでいる8歳の男の子です。ジムが夜も通りの番をしてくれているので、通りへでても家の中と同じように安心だと思っています。

2男の子のパイ
ジムがデリーに嵐がやってきてプラタナスの木の上にふきあげられないように、足を踏ん張れといいます。そうしてジムは小さいころニレの木に吹き上げられた話をしてくれます。

ジムは小さいころ豆畑で鳥の見張りをしていました。冬の間牛にたべさせる豆がたべつくされてしまわないようにです。鳥がきたらガラガラをならして、「とんでけ悪党、さもなきゃパイにしてくっちまうぞ!」と怒鳴ります。ほとんどの鳥はこれで追い払えましたが、一匹のカラスだけは駄目で、ジムが捕まえられそうなくらい近くにいかないと追い払えませんでした。
ある暑い日、ジムはお弁当のベーコンを挟んだパンを食べながら眠ってしまいました。夢のなかでジムはパンとベーコンの畑にいました。ジムがお腹がすいて食べようとすると大きなカラスがガラガラをならしてジムと同じ歌をうたいながら追い払うのです。ジムは何度ももうやめようと思うのですが、おなかがへるとやっぱり畑にいって同じことを繰り返してしまいます。
そしてとうとう見張りのカラスにつかまってニレの木のてっぺんのカラスの巣につれていかれた。カラスの奥さんは「男の子のパイはおいしい」といってジムを調理しようとしますが、カラスのとうさんがジムを投げた力がちょっとつよくてジムは巣の外に落っこちて、その時めがさめた。すると畑にはカラスがたくさんきていたので、一生懸命追い払った。

でも、鳥の気持ちがわかったので、庭に鳥の餌場をつくってパンくずやココナッツの実をつるしてやった。カラスやムクドリは敵同士だが、コマドリや小鳥たちとは友達になった。

3みどり色のネコ
デリーのお誕生日のお祝いにもらった新しい自転車をみて、ジムは「8月10日に80歳になるけど、だれも自転車をくれないだろうな」といいます。そしてお祝いに子猫ももらったときいて「緑色か?」と尋ねます。そして海の底で会った緑色の子猫の話をしてくれます。

ジムは子どものとき海の魅力にとりつかれてケントのいなかを逃げ出した。ペグウェル湾にいた「ゆり木馬号」にあって、ポッツ船長からキャビンボーイにしてもらう。ちょうど船長のキャビンボーイが田舎に逃げ出したところだったのだ。
船長のおやつに海老をつかまえてコックのところにもっていくと、中に緑色の海藻にまみれた緑の子猫がみつかった。眼はサンゴのようなピンクだ。子猫がジムになついたので一緒に航海にでた。
海の真ん中でゆり木馬号は「なぎ」に会い、まったく動かなくなった。ポッツ船長はイライラしてジムにイセエビを取ってこいというので、ジムは網をもって海底にでかけていった。するとタコの足でつかまえられて、ナマズの女王のところに連れていかれた。女王はジムが飼っている子猫は自分の娘だから返せという。ジムは船長に手紙を書いて、タコツボにいれる。タコがゆり木馬号にいってかえってくるとタコツボには子猫が入れられていた。女王は期限を直して、今度子猫を捕まえたら放してやるようにといって、ジムを返してくれた。おまけにイセエビもくれたので船長もご機嫌だった。
女王が風を送ってくれたので船も動き出した。

ジムは手紙をいれたカイだといって、お誕生日プレゼントにデリーにくれた。


4ありあまり島
11月に通りは3日も霧につつまれました。ようやく霧がはれて、ばあやに外に出してもらえたデリーはジムから「そこにないものがみえる霧」の話をききます。

ジムが大人になってジャマイカからの帰りの航路。ブリストル海峡で船が霧の中に突入。船の上でさえぶつかるまで相手がいることがわからなくなった。ジムが手探りで歩いているとメインマストにゆきあたったので登ってみると、霧の上にでた。すると霧の上に島が浮かんでいるのが見える。ジムは思い切って霧を泳いで島にいった。
島ではオウムのようなガウンを着た男と銀色のドレスを着た美しい二人の娘。それに2・3百人の人たちがジムを迎えて「ありあまり王」にした。この島は食べ物でもなんでも欲しいものはありあまるほどあるという。王様もありあまるほどいて月に1度新しくするという。そしてジムを宮殿につれていってごちそうをだした。そして歌をうたったりした。ロバにのったりした。これを繰り返していると4週目にはジムは嫌になって働きたくなった。そこでオウム男にやめたいというと、オウム男も「王様にあきあきしたから送別晩さん会を開いて、昼も夜も王様にごちそうして破裂させる」といいだす。
ジムは浜辺にいってみるとゆり木馬号はきたときより二倍遠くへいっていて霧がはれかかっていた。大急ぎで霧にとびこんで晩餐を知らせる鐘をききながら一生懸命船に向かって泳いだ。島では止めようと大騒ぎになったがだれもおってこなかった。
船に泳ぎ着くと、ジムは12時間の間どこかに行っていたことになっていた。そしてブリストル市は目の前だった。ジムは「メインマストでサメが来ないか見張っていた」とごまかしておいた。


5ペンギンのフリップ
雪が降りました。子どもたちは氷の張った池をすべったり、そりにのったり雪合戦をしたりおおはしゃぎ。でも3日目に雪はとけだして、デリーはひざこぞうをどろんこにしてしまいました。家に帰ろうとしているとジムのところを通ると、ジムが上から下までぜーんぶ雪の南極の話をしてくれます。

ゆり木馬号は3か月氷詰めでとじこめられていました。その間にみんなすっかりペンギンが好きになりました。
ペンギンは、お嫁さんを探すときは女のペンギンに石を送ります。巣を作るための石です。フリップはペニーやギニーに石を送りましたが、両方ともつっかえされてしまいました。そこでジムのところに持ってきました。ジムがうけとってくれたのでフリップは立派な巣をつくった。あまり立派だったのでペニーやギニーが亭主を使って石を盗もうとするので、ジムがジャックナイフで「F]と石に刻んでやった。フリップは赤ん坊を欲しがったがさすがにジムには無理だった。それでも石の上に座ってやるとよろこんで魚をとってきてくれた。ポッツ船長たちは大笑いして、フリップは怒った。
ポッツ船長の提案でそりに荷物を積んで南極を探しにいくことになった。それでフリップとはお別れした。
1年ほどして大きな氷山をみつけた。氷の抜け道がたくさんあった。ジムは抜け道の探検がしたかったので、夜中に一人で寝袋をしょってでかけていった。宝探しにいったのだが、見つからなかったので戻ろうとしたとき、氷のさけめに落ちてしまった。這って出口を探したがみつからず、仲間にも知らせようがない。あきらめて寝袋でねているとフリップが魚をもって来てくれた。何度か魚を運んでからフリップはいなくなった。寝ていたジムが起きると魚の山ができていて、それを食べてジムは少し元気になった。見るとジムが「F]をいれた石がならんでいる。フリップが帰り道を教えてくれたのだ。
ジムが石をたどっていると、反対側から来た船長にであった。フリップは船長たちのキャンプで大暴れしたのだが、わかってもらえなかったので石を置いたらしい。翌日には石は片づけられていた。
南極からの帰り道、ペンギンの国の近くを通るとフリップはりっぱな巣をつくり、べっぴんの奥さんをもらって立派な子どもをつくっていた。船長がジムを呼ぶと、ペンギンの子どもがやってきたので、フリップは子どもにジムとつけたのだとわかった。
ところでジムは助かったとき船長に「だれが石を置いたか当てられたらジャックナイフをあげる」と約束して負けたので、船長にジャックナイフをとられてしまった。でも船員がジャックナイフなしではまずいからと船長のジャックナイフをもらったので、ジムのジャックナイフはとても立派になった。

6九番目の波
復活祭のお休み明け、デリーがジムのところへいって休みにやったことを話していると、船乗りでも船にようことと、9番目の波が大きいという話になった。ジムによると魚も酔うらしい。

大西洋のチャダブクト湾の沖でジムたちはマグロをつっていた。海はあれていて、ゆり木馬号は9番目の横波をうけるたびに大きく揺れた。ジムは気分が悪いので薬をそばに置いて釣りをしていたが、かかったのはマグロではなくタラだった。しかも酔っていて、気分が悪いという。タラがジムのことを船長と勘違いしたのでジムはうれしくなってタラに親切にしてやった。浮き輪を枕にして、船長からかくしてやった。
船長はジムをよんで、望遠鏡で大きな波がくるのが見えるから、波がきたら油で追い払えといって8本のオリーブオイルのビンを渡した。でも9番目の波にはたりない。ジムは波が来るたびに油のビンを割っておいはらったが、9番目の大波がきたときには油はきれて、何も思いつかなかった。そのとき、タラがジムを呼んで、自分の肝臓から絞った肝油を使えという。ジムは耐えがたい匂いに鼻をつまみながら波にかけると波は回れ右して戻っていった。そして後ろの波をみんな押し倒してしまったので海は静かになった。ジムは肝油をだして顔色が悪くなっているタラにお礼をいって海に戻してやった。
船長がジムをほめたが、ジムはタラのことは秘密にしておいた。


7月をみはる星
デリーのうちに泊まりにきていたおじさんが、帰るときにとってもいい望遠鏡をデリーにくれた。海は見えなかったけど、ジムが夜空をみてごらんというので、見てみると月のそばに星がみえた。ジムはそれが月を見張る星だという。

空の向こうに土星がある。土星は欲が深くて、ほかの星の月をうばって7個の月をもっている。光の環も盗んでベルトにしてしまった。今度は地球の月を盗んでやろうと流れ星にお使いをさせた。流れ星が土星の周りにいくと7人の姉さんがいて楽しいと歌うので月は行こうとした。なにか悪いことが起こっていると気が付いた地球は、ガリレオ先生を呼んで調べてもらった。ガリレオ先生は流れ星の燃えカスに空語で、月を誘い出した歌がかいてあるのをみて、事情を悟った。そこで太陽にお願いして月を止めてもらった。
元のところに戻った月が、また土星のところに行こうとすると、太陽がつけた見張り番の星が止めるようになったので、月はどこにもいけなくなった。


8大海ヘビ
デリーが原っぱで船を浮かべて遊んでいると、ジムの予報通りににわか雨が降りだして、その後虹がでました。デリーが虹の根元に菌のツボが埋まっているのは本当かときくと、ジムは自分の耳についている金の耳輪を手に入れたときの話をしてくれます。

インド洋ですごい雷雨の後、二つの虹がでた。しかし、1本は海ヘビだった。海ヘビは頭をジムの膝にのせて、「だれにもなでてもらったことがないから、なでてくれ」という。ジムは可哀想になってなでてやると、海ヘビは少しづつとぐろを巻きながら全身をなでてもらいたがる。あまりに長いのでジムは疲れてしまい、でも途中でやめたら海ヘビが船ごと自分たちを飲み込んでしまうのではと恐れていた。
そこに船長が洗濯物を干しにやってきて、パタパタを水切りを始めた。海ヘビは「ひなたぼっこに来たのに雨が降るから帰る」といって海に飛び込んだ。ジムの手のなかを海ヘビの体が通り抜け、最後に残ったのが金の耳輪だった。
しっぽがジムの手をはなれたとたん、空中に跳ね上がり、ポッツ船長は綱と間違えてよそゆきのワイシャツを干してしまった!ワイシャツは波間に消えていった。
ポッツ船長はジムに見事な虹だったと話しかけて、耳輪をどうしたのかと尋ねると、ジムは「虹のはしっこの金のツボからでてきた」と返事します。ポッツ船長は「生まれつき運のいいやつはいるんだな」といいました。


9チンマパンジーとポリマロイ
ある暑い日、ジムはいままでで一番暑かったバンガルー島の話をしてくれます。

南太平洋でゆり木馬号は竜巻にあい、浜に打ち上げられた。島にはカッコトー鳥がいて、そこがバンガルー島だと教えてくれた。鳥ポリマロイという名前で、みんなにバナナを配ってくれたが、ジムのところでなくなった。それでジムが尻尾をつかんで引っ張ったので、それから意地悪されるようになった。
船のみんなやポッツ船長は鳥と仲良しなのに、ジムだけはバナナをとられたり散々だった。ジムはふくれて口を利かなくなったが、みんなポリマロイをかわいがっていて相手にしてくれない。ジムはとうとうバナナの林で一人で暮らそうとでていった。島の反対側の岸にたどりついたとき、バナナの林があまりに暑かったのでジムは服を脱いで泳いだ。でもクラゲを飲み込んでしまい、ひっかかってしゃべれなくなってしまった。岸に帰ると服がなくなっていて、チンパンジーがジムの服をきている。ジムはバナナの葉をみにつけると、おもしろがってチンパンジーと一緒にみんなのところに帰った。すると、ポリマロイもみんなもチンパンジーをジムとして扱い、ジムはチンパンジー扱いされた。
ジムの服をきたチンマパンジーは、ジムの代わりに働き出して、チムはいやな気持になった。そこに竜巻がきて船を巻き上げたので、チンマパンジーは船酔いになって、ジムの服を脱ぎ捨ててジムに着せると泳いでバンガルー島に戻ってしまった。ジムは竜巻から落っこちたショックでせき込んで、クラゲが飛び出してしゃべれるようになった。
ジムは「チンマパンジーは病気だから逃がしてやった」というと、みんなはジムが声をだせなかったときのマネをしてからかった。
ジムがふくれたので、仕返しにチンパンジーをジムにして遊んでいたのだ。
それからジムがふくれそうになると、みんなはジムが声をだせなかったときの真似をするので、ジムは笑い出してしまうようになった。


10ジムの誕生日
8月10日、ジムの誕生日には通りには誰もいませんでした。みんな海や山やいなかにいってしまったのです。郵便屋さんがポストの手紙をとりにきただけでした。ジムは眠ってゆり木馬号や、自分のしてきた冒険の夢をみました。するとデリーがやってきて耳元でジムがあげたカイを鳴らしながら「お誕生日おめでとう」というのです。眼をさますと本当にデリーがいました。
お誕生日だから、お父さんの車でお祝いを言いに来たというのです。そして以前ジムが「お誕生日の贈り物には、どんなものより海のにおいをかぎたい」といっていたから、これから一緒に海岸に行って、2週間ライフボートマンの小屋に泊まろうといいます。ジムは大喜びして、「海の匂いをかかげてくれたら、いままで話した話ぜんぶあわせたより、もっとたくさんの話をしてやる」といいます。
デリーの父さんが運転する車はお茶の時間に間に合うように、大急ぎで海に向かいました。あとにはミカン箱がポツンと残っていました。


町かどのジム (子どもの文学・青い海シリーズ)

町かどのジム (子どもの文学・青い海シリーズ)

  • 作者: エリノア ファージョン
  • 出版社/メーカー: 童話館出版
  • 発売日: 2001/10
  • メディア: 単行本



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