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ハワイ、伝説の大津波 (マジック・ツリーハウス (14)) [ファンタジー]
読み聞かせ時間 子どもは読みませんでした大人が読んで20 分
ウケ度 今どきの子どもならそんなの魔法じゃないじゃんとかいいそう
印象度 それにしても、毎回命の危険があるのに、すごいな
マジックツリーハウスシリーズの14冊目
今回はアメリカ最初の感謝祭と、白人が来る前のハワイ。
今回の本には、最初に折り畳みで、これまで刊行された本の冒険の舞台と表紙がカラーページでのっていた。
アメリカペンシルバニアのフロッグクリークに住む、ジャックとアニーの兄妹。
兄のジャックは8歳本や自然観察が好き、アニーは7歳空想の世界で遊ぶのが好き。
ある日二人は、森の中にツリーハウスをみつける。登ってみると中には本がたくさん。
魔法を信じる人が、その中の本を開いて指さし、「行きたい」と願うと、絵の中の時代に行けるのだ。
帰りたいときはペンシルバニアのガイドブックを開いてフロッグクリークを指さし、「帰りたい」といえばいい。
戻るときはツリーハウスででかけた時間にもどるので、もどったとき冒険の時間はまったくたっていない。
ツリーの持ち主は、アーサー王の姉モーガン・ルー・フェイであるとわかり、
「魔法使いであり、図書館の司書としてすぐれた本をあつめ、読みたい人が読めるようにする仕事をしている」という。
二人はモーガンの仕事を手伝うため、マスターライブラリアン試験をうけて合格、
モーガンから木のカードに「M/L」と書かれた資格の証明書のカードをもらった。
今回の二人は魔法使いになりませんかと誘われて、4つの特別な魔法を探す冒険をしている。
前回までに二人は、シェークスピアの時代のロンドンで「演劇の魔法」
アフリカの熱帯雨林で「動物の魔法」をみつけていた。
みんなでおばあちゃんの家に行く予定の朝、
アニーがツリーハウスが戻ってきている気がするといってきた。
二人は10分で戻るといって森にでかける。ツリーハウスの冒険の間、こちらの時間は動いていないのだ。
アニーの言うとおりツリーハウスが戻ってきていて、小屋の隅には紙切れのはさまった本がおいてあった。
本は「感謝の祝宴」で紙には詩がかいてある。
「汗を流して 働いた後、 みんな いっしょに 集まって、 三つの世界を一つにせよ
しからば 特別な魔法を 手に入れん」
例によってアニーは本の時代を確かめもしないで、「ここにいきたい」とやってしまう。
着いたところはアメリカのプリマス。ピルグリム・ファーザーズと呼ばれるヨーロッパからアメリカ大陸へ初めて移住した人たちの村。
アニーはちょうど学校で劇をしたばかりで、服が(ついたところにふさわしい服に自動的に変わる)衣装にそっくりだという。
村のリーダーだったブラッドフォード総督や、勇敢なスタンディッシュ司令官、
作物の育て方を教えてくれた先住民スクワントらの本物に会えるかもしれないと
アニーはさっそく村に行こうとする。
ジャックは、ピルグリム以外の白人がいたらおかしいので、説明を考えようというが、
アニーは村の人に会わなければいいといって、さっさといってしまう。
しかし、犬にみつかって、逃げるときジャックは罠にかかって木にぶら下がってしまう。
ピルグリム・ファーザーズに助けられたジャックは、ブラッドフォード総督らの本物をみて驚く。
アニーはさっそく劇で演じたプリシラという少女を探しだし挨拶する。
でも、二人の英語は現代風なのでなかなか通じない。
スタンディッシュ司令官は「どこから来たのか?」と厳しく問いただす。
ジャックは、とっさに「ジョン・スミス船長の船で来た」というが、司令官は、「それならスクワントが覚えているはずだ」という。
スクワントが「覚えている」といってくれたので、二人は無事に村にうけいれてもらうことができた。
村では先住民を招いて感謝の祝宴がおこなわれる直前で、
お客が多いので、村中で祝宴のごちそうの準備をしているところだった。
二人も本でやり方を調べてウナギと貝殻とりに挑戦するが、ウナギはつかまらず、貝もかわいそうでとれなかった。
プリシラはそんな二人に自分たちがとってきたトウモロコシとカボチャを持たせて、
手ぶらで村へ帰らなくていいようにしてくれた。
プリシラの家では暖炉で七面鳥が焼かれていた。
プリシラが木の実をとりに行く間、二人はコーン・ぷティングをかき混ぜたり、
かぶやニンジンを火のそばにおいたり、シチューにハーブを入れたりした。
分からないことは本で調べた。
プリシラが戻ってきて、プリマスについたとき冬で、一緒にきた人の半分がなくなり、
自分の両親も亡くなったのだと涙を流す。でも希望を失わずに働いてインディアンの教えもあって、
今年は夢のような収穫があったので、特別なもよおしをするのだとつれていってくれた。
そこでは男たちがマスケット銃の腕前を披露していたが、「腕をみせる」といわれたジャックが
袖をまくりあげているのをみてプリシラは大笑いして、心から笑ったのは久しぶりだとジャックに感謝してくれた。
二人はプリシラから七面鳥の串をはずして大皿にのせて広場に運んでほしいとたのまれるが、
串が熱くて七面鳥を火の中に落としてしまい、黒こげにしてしまう。
アニーがプリシラを呼んできて、ジャックが謝ると、プリシラは料理はみんなで手分けして作っているから大丈夫と
二人を祝宴のテーブルにつれていってくれた。
テーブルにはピルグリムとスクワントの一族ワンパノアグ族がきていて、
ブラッドフォード総督は、われわれと、ジャックたちの世界と、ワンパノアグ族、3つの世界がひとつになった」とあいさつ。
アニーは「特別な魔法がみつかった」とジャックに笑いかけた。
二人は感謝祭のごちそうを食べてから、プリシラと総督に帰ると告げる。
スクワントが送りながら二人にトウモロコシの育て方を教えるといって、ついてきてくれた。
そしてトウモロコシの育て方を教えて、種をくれた。
アニーが、なぜさっき庇ってくれたのか聞くと、スクワントは「あなたたちを覚えている」といったのではなく
「違う世界に来た時の気持ちを覚えている」といったのだという。
スクワントは昔奴隷としてヨーロッパに連れて行かれ、孤独と不安だった。二人が同じ不安をもっていたので
助けてあげたいと思ったのだと話してくれた。
アニーがお礼をいうと、スクワントは「孤独で不安な気持ちを持つ人にいつもやさしくするように」というと村へ戻っていった。
二人はツリーハウスに戻り、トウモロコシの種をツリーハウスに置いて、家に帰る。
帰り道、ピルグリムの子ども達はみな働いていたこと、家族や友達を大勢なくしたことを話し、
それでも「ありがとう」というプリシラを思い出した。
家族がいて、食べ物があることがありがたいことを感じながら二人はもっと感謝することを心に誓うのだった。
夏の夕暮れ、二人はテラスで本を読んでいた。
突然アニーがツリーハウスが戻ってきたというので、二人は森にでかけることにする。
小屋の隅にぽつんと置かれた本は「神秘の島ハワイ」でアニーはハワイが大好きだと大喜びする。
詩には「海へ 出て、 低い波 高い波を のり越え
友情のきずなを 強くせよ しからば 特別な魔法を 手に入れん」とあった。
ついたところは大きなヤシの木の上で、緑色の草地を鮮やかな色の蝶や鳥がいる。
草地の先には崖があり、白い砂浜と海が見える。
海の反対側は険しい岩山で滝が流れ落ち、岩山の麓に集落が見える。
アニーは目を輝かせている。
ジャックは例によって本をよんでみると、火山の溶岩でできた島であること、
人間が住み着いたのは1500年ほど前で、カヌーで海を渡ってきた人たちだったことがわかった。
村から太鼓や歌声が聞こえると、アニーは「パーティをやっている」と村へいってしまう。
ジャックも追いかけた。
村では全員はだしで、首に花輪をかけてゆったりとしたリズムの歌と演奏にあわせて踊っていた。
アニーはフラというダンスだといって、見よう見まねで踊りだす。
ジャックが本で調べると、フラはもともと紙にささげる儀式として行うもので、一つ一つの手の動きには意味があり、
踊りが物語になっていること、古代ハワイに住み着いた人たちは文字をもたなかったので、
フラで神話や伝説、歴史を語り伝えたと説明してあった。
そうしている間にアニーは村人に交じって踊りだすが、みな笑顔でアニーを迎えている。
ジャックも誘われたがはずかしくて踊れなかった。
音楽が鳴りやむと、ジャックを誘ってくれた女の子が話しかけてきて、自分はカマといい、兄はボカというと紹介してくれた。
二人はちょうどアニーとジャックと同じ年くらいで、自分たちの花輪=レイをかけてくれた。
そして二人にポイというタロイモをつぶした食べ物をくれたりして仲良くなった。
すっかりうちとけたジャックとアニーは魔法の小屋できたことを打ち明けるが、二人はすぐ信じてくれた。
そして二人を家にとめてくれて、翌日はサーフィンをしようと誘った。
翌朝、起きるとカマはタロイモをつぶしポイをつくるのを手伝い、
ボカは桑の木の皮をたたいて薄くのばしてタパという布にする仕事をしていた。
ジャックは詩の「海にでて」が気になって二人の父親に船があるか聞いてみたがカヌーしかないという。
カマが両親に頼んで二人をつれて波乗りにいっていいかきくと、両親は許可してくれた。
ジャックは内心波乗りが怖かったので、止めてほしかった。
海岸へ向かいながらカマとボカはヤシの実をとったりバナナをとったりして朝食にした。
崖の上から海を見下ろすと、すごい波がたっている。
ジャックはくらくらしてみているだけにしようと心に誓う。
4人は崖をおりて海岸へ向かう。ジャックは本で少し勉強してからいくというが、アニーが強引に連れだしてしまう。
沖にでた4人はカマの合図で波乗りをするが、アニーはうまくボードに立ち上がったが
ジャックは落とされておぼれかけながら岸に戻った。
カマが「最初から立とうとしないでっていったのに」と笑うので、怒ったジャックが「僕はみているっていったのに!」と言い返し
もう一度やってみようというボカにも「ほっといてくれ」といって、一人で本を読みだしてしまう。
アニーが本を取り上げたのを取り返そうとして砂の上に尻もちをつくと、ボカとカマが笑ったので、
ジャックはあたまにきて「なにがおかしいんだ! 本がなにかも、しらないくせに!」と怒鳴った。
二人は笑うのをやめ、アニーはジャックがへそまがりだといって、3人で波乗りにいってしまう。
ジャックがイライラしながら本を開こうとすると、大きな地震がおきた。
いそいで本を調べると、地震の後津波がくることがあり、そのときは潮が沖に急激に引くという。
ジャックは3人に津波の危険を知らせようとするが、気が付ないので、おぼれたふりをして3人をひきつけ
地震がおきたこと、津波がくるかもしれないことを伝える。
するとボカが昔のいいつたえで「いつの日か、大地が揺れ動き、大津波がやってくる」とあったのを思い出し、
4人は必死で海岸に戻る。途中でジャックはうまく波に乗ることができてボカに褒められる。
アニーが最後に海岸にあがった瞬間、足元の海水がものすごい勢いで沖へひきはじめる。
そして沖には津波がみえ、轟音とともに近づいてくる。
4人は助け合いながら崖を上り、振り返ると波が崩れかけている。
4人はさらに高台に向かって走った。
頭から海水をあびながら、なんとか波にさらわれないですんだが、崖も海岸にあったヤシの木やサーフボードも
すべて引き潮でもっていかれていた。
ボカとカマの両親と村人が心配してやってきて、みなで泣いたり笑ったりしながら抱き合って無事を喜んだ。
島じゅうがひどく揺れたので、「伝説の大津波」がやってくると思って心配したのだという。
ボカが、海にいて気が付かなかったのをジャックが教えてくれたといい、本は凄いものだと認めてくれた。
ジャックも、歌や踊りで島の歴史をつたえることが素晴らしいと思った。
ボカとカマが今のできごとをフラにするというので、ジャックは最初ことわるが、みているうちに自然に踊りだす。
村人も加わり踊りがおわると、ジャックはボカとカマにケンカしたとこを謝り、二人も笑ったことを謝った。
そして「お母さんが、友情は波乗りと同じだ、低い波もあれば高い波も来る。でもそれを乗り越えていくと、
友情のきずなは、もっともっと強くなると言っている」と教えてくれた。
二人は特別な魔法を見つけたことを知る。
そしてお礼をいって別れようとすると、カマが「さよなら」でなく「アローハ」というのだ、はなれていても心は一緒だからといった。
ツリーハウスに戻ったアニーはかけていたレイを、小屋の床に置いて、ペンシルバニア州の本をとると
フロッグクリークの森の写真をひらいて「ここへ帰りたい」といった。
森へ帰るとモーガンがあらわれて、「4つの冒険で、しなければいけないと思ったことを、いっしょうけんめいすること、
それが日々の魔法を起こす術なのだ」と教えてくれる。二人はもう立派な日々の魔法をおこせる魔法使いだと。
そしてまたツリーハウスが来るときには日々の魔法をしった二人の力が役に立つといいのこして、戻っていった。
二人は両親の呼ぶ声をきいて家に戻。
戻りながらジャックは、「家族の魔法」はすごい、こんなにしあわせな気持ちをおこせるからと思うのだった。
ウケ度 今どきの子どもならそんなの魔法じゃないじゃんとかいいそう
印象度 それにしても、毎回命の危険があるのに、すごいな
マジックツリーハウスシリーズの14冊目
今回はアメリカ最初の感謝祭と、白人が来る前のハワイ。
今回の本には、最初に折り畳みで、これまで刊行された本の冒険の舞台と表紙がカラーページでのっていた。
アメリカペンシルバニアのフロッグクリークに住む、ジャックとアニーの兄妹。
兄のジャックは8歳本や自然観察が好き、アニーは7歳空想の世界で遊ぶのが好き。
ある日二人は、森の中にツリーハウスをみつける。登ってみると中には本がたくさん。
魔法を信じる人が、その中の本を開いて指さし、「行きたい」と願うと、絵の中の時代に行けるのだ。
帰りたいときはペンシルバニアのガイドブックを開いてフロッグクリークを指さし、「帰りたい」といえばいい。
戻るときはツリーハウスででかけた時間にもどるので、もどったとき冒険の時間はまったくたっていない。
ツリーの持ち主は、アーサー王の姉モーガン・ルー・フェイであるとわかり、
「魔法使いであり、図書館の司書としてすぐれた本をあつめ、読みたい人が読めるようにする仕事をしている」という。
二人はモーガンの仕事を手伝うため、マスターライブラリアン試験をうけて合格、
モーガンから木のカードに「M/L」と書かれた資格の証明書のカードをもらった。
今回の二人は魔法使いになりませんかと誘われて、4つの特別な魔法を探す冒険をしている。
前回までに二人は、シェークスピアの時代のロンドンで「演劇の魔法」
アフリカの熱帯雨林で「動物の魔法」をみつけていた。
みんなでおばあちゃんの家に行く予定の朝、
アニーがツリーハウスが戻ってきている気がするといってきた。
二人は10分で戻るといって森にでかける。ツリーハウスの冒険の間、こちらの時間は動いていないのだ。
アニーの言うとおりツリーハウスが戻ってきていて、小屋の隅には紙切れのはさまった本がおいてあった。
本は「感謝の祝宴」で紙には詩がかいてある。
「汗を流して 働いた後、 みんな いっしょに 集まって、 三つの世界を一つにせよ
しからば 特別な魔法を 手に入れん」
例によってアニーは本の時代を確かめもしないで、「ここにいきたい」とやってしまう。
着いたところはアメリカのプリマス。ピルグリム・ファーザーズと呼ばれるヨーロッパからアメリカ大陸へ初めて移住した人たちの村。
アニーはちょうど学校で劇をしたばかりで、服が(ついたところにふさわしい服に自動的に変わる)衣装にそっくりだという。
村のリーダーだったブラッドフォード総督や、勇敢なスタンディッシュ司令官、
作物の育て方を教えてくれた先住民スクワントらの本物に会えるかもしれないと
アニーはさっそく村に行こうとする。
ジャックは、ピルグリム以外の白人がいたらおかしいので、説明を考えようというが、
アニーは村の人に会わなければいいといって、さっさといってしまう。
しかし、犬にみつかって、逃げるときジャックは罠にかかって木にぶら下がってしまう。
ピルグリム・ファーザーズに助けられたジャックは、ブラッドフォード総督らの本物をみて驚く。
アニーはさっそく劇で演じたプリシラという少女を探しだし挨拶する。
でも、二人の英語は現代風なのでなかなか通じない。
スタンディッシュ司令官は「どこから来たのか?」と厳しく問いただす。
ジャックは、とっさに「ジョン・スミス船長の船で来た」というが、司令官は、「それならスクワントが覚えているはずだ」という。
スクワントが「覚えている」といってくれたので、二人は無事に村にうけいれてもらうことができた。
村では先住民を招いて感謝の祝宴がおこなわれる直前で、
お客が多いので、村中で祝宴のごちそうの準備をしているところだった。
二人も本でやり方を調べてウナギと貝殻とりに挑戦するが、ウナギはつかまらず、貝もかわいそうでとれなかった。
プリシラはそんな二人に自分たちがとってきたトウモロコシとカボチャを持たせて、
手ぶらで村へ帰らなくていいようにしてくれた。
プリシラの家では暖炉で七面鳥が焼かれていた。
プリシラが木の実をとりに行く間、二人はコーン・ぷティングをかき混ぜたり、
かぶやニンジンを火のそばにおいたり、シチューにハーブを入れたりした。
分からないことは本で調べた。
プリシラが戻ってきて、プリマスについたとき冬で、一緒にきた人の半分がなくなり、
自分の両親も亡くなったのだと涙を流す。でも希望を失わずに働いてインディアンの教えもあって、
今年は夢のような収穫があったので、特別なもよおしをするのだとつれていってくれた。
そこでは男たちがマスケット銃の腕前を披露していたが、「腕をみせる」といわれたジャックが
袖をまくりあげているのをみてプリシラは大笑いして、心から笑ったのは久しぶりだとジャックに感謝してくれた。
二人はプリシラから七面鳥の串をはずして大皿にのせて広場に運んでほしいとたのまれるが、
串が熱くて七面鳥を火の中に落としてしまい、黒こげにしてしまう。
アニーがプリシラを呼んできて、ジャックが謝ると、プリシラは料理はみんなで手分けして作っているから大丈夫と
二人を祝宴のテーブルにつれていってくれた。
テーブルにはピルグリムとスクワントの一族ワンパノアグ族がきていて、
ブラッドフォード総督は、われわれと、ジャックたちの世界と、ワンパノアグ族、3つの世界がひとつになった」とあいさつ。
アニーは「特別な魔法がみつかった」とジャックに笑いかけた。
二人は感謝祭のごちそうを食べてから、プリシラと総督に帰ると告げる。
スクワントが送りながら二人にトウモロコシの育て方を教えるといって、ついてきてくれた。
そしてトウモロコシの育て方を教えて、種をくれた。
アニーが、なぜさっき庇ってくれたのか聞くと、スクワントは「あなたたちを覚えている」といったのではなく
「違う世界に来た時の気持ちを覚えている」といったのだという。
スクワントは昔奴隷としてヨーロッパに連れて行かれ、孤独と不安だった。二人が同じ不安をもっていたので
助けてあげたいと思ったのだと話してくれた。
アニーがお礼をいうと、スクワントは「孤独で不安な気持ちを持つ人にいつもやさしくするように」というと村へ戻っていった。
二人はツリーハウスに戻り、トウモロコシの種をツリーハウスに置いて、家に帰る。
帰り道、ピルグリムの子ども達はみな働いていたこと、家族や友達を大勢なくしたことを話し、
それでも「ありがとう」というプリシラを思い出した。
家族がいて、食べ物があることがありがたいことを感じながら二人はもっと感謝することを心に誓うのだった。
夏の夕暮れ、二人はテラスで本を読んでいた。
突然アニーがツリーハウスが戻ってきたというので、二人は森にでかけることにする。
小屋の隅にぽつんと置かれた本は「神秘の島ハワイ」でアニーはハワイが大好きだと大喜びする。
詩には「海へ 出て、 低い波 高い波を のり越え
友情のきずなを 強くせよ しからば 特別な魔法を 手に入れん」とあった。
ついたところは大きなヤシの木の上で、緑色の草地を鮮やかな色の蝶や鳥がいる。
草地の先には崖があり、白い砂浜と海が見える。
海の反対側は険しい岩山で滝が流れ落ち、岩山の麓に集落が見える。
アニーは目を輝かせている。
ジャックは例によって本をよんでみると、火山の溶岩でできた島であること、
人間が住み着いたのは1500年ほど前で、カヌーで海を渡ってきた人たちだったことがわかった。
村から太鼓や歌声が聞こえると、アニーは「パーティをやっている」と村へいってしまう。
ジャックも追いかけた。
村では全員はだしで、首に花輪をかけてゆったりとしたリズムの歌と演奏にあわせて踊っていた。
アニーはフラというダンスだといって、見よう見まねで踊りだす。
ジャックが本で調べると、フラはもともと紙にささげる儀式として行うもので、一つ一つの手の動きには意味があり、
踊りが物語になっていること、古代ハワイに住み着いた人たちは文字をもたなかったので、
フラで神話や伝説、歴史を語り伝えたと説明してあった。
そうしている間にアニーは村人に交じって踊りだすが、みな笑顔でアニーを迎えている。
ジャックも誘われたがはずかしくて踊れなかった。
音楽が鳴りやむと、ジャックを誘ってくれた女の子が話しかけてきて、自分はカマといい、兄はボカというと紹介してくれた。
二人はちょうどアニーとジャックと同じ年くらいで、自分たちの花輪=レイをかけてくれた。
そして二人にポイというタロイモをつぶした食べ物をくれたりして仲良くなった。
すっかりうちとけたジャックとアニーは魔法の小屋できたことを打ち明けるが、二人はすぐ信じてくれた。
そして二人を家にとめてくれて、翌日はサーフィンをしようと誘った。
翌朝、起きるとカマはタロイモをつぶしポイをつくるのを手伝い、
ボカは桑の木の皮をたたいて薄くのばしてタパという布にする仕事をしていた。
ジャックは詩の「海にでて」が気になって二人の父親に船があるか聞いてみたがカヌーしかないという。
カマが両親に頼んで二人をつれて波乗りにいっていいかきくと、両親は許可してくれた。
ジャックは内心波乗りが怖かったので、止めてほしかった。
海岸へ向かいながらカマとボカはヤシの実をとったりバナナをとったりして朝食にした。
崖の上から海を見下ろすと、すごい波がたっている。
ジャックはくらくらしてみているだけにしようと心に誓う。
4人は崖をおりて海岸へ向かう。ジャックは本で少し勉強してからいくというが、アニーが強引に連れだしてしまう。
沖にでた4人はカマの合図で波乗りをするが、アニーはうまくボードに立ち上がったが
ジャックは落とされておぼれかけながら岸に戻った。
カマが「最初から立とうとしないでっていったのに」と笑うので、怒ったジャックが「僕はみているっていったのに!」と言い返し
もう一度やってみようというボカにも「ほっといてくれ」といって、一人で本を読みだしてしまう。
アニーが本を取り上げたのを取り返そうとして砂の上に尻もちをつくと、ボカとカマが笑ったので、
ジャックはあたまにきて「なにがおかしいんだ! 本がなにかも、しらないくせに!」と怒鳴った。
二人は笑うのをやめ、アニーはジャックがへそまがりだといって、3人で波乗りにいってしまう。
ジャックがイライラしながら本を開こうとすると、大きな地震がおきた。
いそいで本を調べると、地震の後津波がくることがあり、そのときは潮が沖に急激に引くという。
ジャックは3人に津波の危険を知らせようとするが、気が付ないので、おぼれたふりをして3人をひきつけ
地震がおきたこと、津波がくるかもしれないことを伝える。
するとボカが昔のいいつたえで「いつの日か、大地が揺れ動き、大津波がやってくる」とあったのを思い出し、
4人は必死で海岸に戻る。途中でジャックはうまく波に乗ることができてボカに褒められる。
アニーが最後に海岸にあがった瞬間、足元の海水がものすごい勢いで沖へひきはじめる。
そして沖には津波がみえ、轟音とともに近づいてくる。
4人は助け合いながら崖を上り、振り返ると波が崩れかけている。
4人はさらに高台に向かって走った。
頭から海水をあびながら、なんとか波にさらわれないですんだが、崖も海岸にあったヤシの木やサーフボードも
すべて引き潮でもっていかれていた。
ボカとカマの両親と村人が心配してやってきて、みなで泣いたり笑ったりしながら抱き合って無事を喜んだ。
島じゅうがひどく揺れたので、「伝説の大津波」がやってくると思って心配したのだという。
ボカが、海にいて気が付かなかったのをジャックが教えてくれたといい、本は凄いものだと認めてくれた。
ジャックも、歌や踊りで島の歴史をつたえることが素晴らしいと思った。
ボカとカマが今のできごとをフラにするというので、ジャックは最初ことわるが、みているうちに自然に踊りだす。
村人も加わり踊りがおわると、ジャックはボカとカマにケンカしたとこを謝り、二人も笑ったことを謝った。
そして「お母さんが、友情は波乗りと同じだ、低い波もあれば高い波も来る。でもそれを乗り越えていくと、
友情のきずなは、もっともっと強くなると言っている」と教えてくれた。
二人は特別な魔法を見つけたことを知る。
そしてお礼をいって別れようとすると、カマが「さよなら」でなく「アローハ」というのだ、はなれていても心は一緒だからといった。
ツリーハウスに戻ったアニーはかけていたレイを、小屋の床に置いて、ペンシルバニア州の本をとると
フロッグクリークの森の写真をひらいて「ここへ帰りたい」といった。
森へ帰るとモーガンがあらわれて、「4つの冒険で、しなければいけないと思ったことを、いっしょうけんめいすること、
それが日々の魔法を起こす術なのだ」と教えてくれる。二人はもう立派な日々の魔法をおこせる魔法使いだと。
そしてまたツリーハウスが来るときには日々の魔法をしった二人の力が役に立つといいのこして、戻っていった。
二人は両親の呼ぶ声をきいて家に戻。
戻りながらジャックは、「家族の魔法」はすごい、こんなにしあわせな気持ちをおこせるからと思うのだった。
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